中央支部能力開発推進部主催 能力開発基礎セミナー 「生成AI基礎セミナー」〜診断士のための生成AI活用入門〜
開催報告 … 11/8能力開発基礎セミナー 中央支部能力開発推進部主催セミナー
日時:令和6年11月8日
場所:東京都中小企業会館9階講堂
テーマ:「生成AI基礎セミナー」〜診断士のための生成AI活用入門〜
講師:株式会社2WINS代表取締役Co-CEO 小川椋徹氏
11月8日の中央支部 能力開発推進部セミナーは、東京大学大学院の修士課程で協調型自動運転の研究を行いながら起業家として法人向けAIソリューションを提供する小川椋徹氏を講師にお迎えして開催された。会場は中小企業会館の講堂ということで広い会場であったが、70名の参加者で埋め尽くされ今回のテーマである生成AIへの関心の高さが伺えた。
小川氏はアカデミアで出来た技術をすぐ社会実装することを目指している。実際に最先端の研究に携わられている深い知識と、それを専門家以外にも分かりやすく噛み砕いた講義内容は、初心者から知識を有している参加者まで引き込まれるものであり、多くの刺激が与えられるものであった。
講義はAIの歴史から、最新動向までを包括的に理解できるものであった。そもそもAIとは「コンピュータで人ができることを再現する」試みであり、生成AIはこれまでの識別だけ・翻訳だけという限定された領域に限られたものではなく、何でもできることが特長であることを知った。一方でその分何もかも大規模かつ複雑で、データ・モデル・リソースのすべてが想像も難しいくらい大きく、お金もかかるものであることを具体的な例示も交えながら説明いただいた。
また具体的なツールも含めたトレンドを説明いただく中で、生成AIを高く評価するのは使ったことがある人で、一方使っていない人は食わず嫌いになっており評価が低いというデータが示された。特に人手不足になっている中小企業、特に地方企業こそ生成AIを使うべきで、中小企業診断士への期待として「診断士自身が使い、事業者に活用を促すこと」をいただいた。たとえば議事録を自動化したりメールを自動生成したりすることも今では簡単に取り組めるため、そこから提案に盛り込んでみたいと強く感じた示唆であった。
講義は一方的なものだけではなく、参加者自身が手を動かすワークのパートも含まれており生成AIの凄さについて身をもって感じられるものであった。特に「プロンプトエンジニアリング」という手法をうまく使うことでChat-GPTの回答精度を大きく上げたり、文章の癖を反映させてくれたりすることを学んだ。生成AIの持つ奥深さと可能性の大きさについて知ることができ、ただ漫然と使うだけではなく正しく使うことで業務効率を爆発的に変えられると感じた。
最後に質疑応答の時間があったが、参加者からは本質的な質問が複数寄せられ、講師からも非常に丁寧な回答がなされた。その中には将来的な生成AIの展望に触れたものもあり、さらにワクワクする世界が期待できると感じた。
質疑応答の時間が終わり、ネットワーキングタイムに入っても小川氏の前には長蛇の列ができており参加者の満足度を見て取ることができたセミナーであった。