専門家コラム 「小規模事業者持続化補助金申請のポイント最新版」(2024年6月)
本コラムの目的
第15回受付締切分(2024年3月14日締切)から、小規模事業者持続化補助金の申請方法が、大きく変わりました。本コラムでは、その変更点を踏まえ、小規模事業者持続化補助金申請のポイントを説明します。
申請方法変更点
特に大きく変わった点が二つあります。
(1) 郵送申請の終了
従来は郵送申請と電子申請の二通りから選択できましたが、第16回受付締切分(2024年5月27日締切)からは電子申請のみとなりました。
(2) 記載例が公開されなくなった
第13回受付締切分までは、補助金ホームページに記載例が公開されていましたが、第14回受付分からは、記載例が公開されなくなりました。
参考1:第13回受付締切分までのホームページ
https://r3.jizokukahojokin.info/
参考2:第14回受付分以降のホームページ
https://s23.jizokukahojokin.info/
(3) 電子申請での入力方法・内容の変更
従来の電子申請では、申請書フォーマット(Word、Excel)をアップロードする方式でしたが、現在は、電子申請画面へ直接入力する方法に変わりました。また、入力する内容も変更(細分化)されました。
申請のポイント
申請方法や入力内容に変化はありましたが、審査の観点は変わっていません。それは、公募要領の「審査の観点」欄を見比べれば分かります。公募回が変わっても、公募要領の審査の観点では、以下の観点で審査すると書かれています。
①自社の経営状況分析の妥当性
○自社の経営状況を適切に把握し、自社の製品・サービスや自社の強みも適切に把握しているか。
②経営方針・目標と今後のプランの適切性
○経営方針・目標と今後のプランは、自社の強みを踏まえているか。
○経営方針・目標と今後のプランは、対象とする市場(商圏)の特性を踏まえているか。
③補助事業計画の有効性
○補助事業計画は具体的で、当該小規模事業者にとって実現可能性が高いものとなっているか。
○販路開拓を目指すものとして、補助事業計画は、経営計画の今後の方針・目標を達成するために必要かつ有効なものか。
○補助事業計画に小規模事業者ならではの創意工夫の特徴があるか。
○補助事業計画には、ITを有効に活用する取組が見られるか。
④積算の透明・適切性
○補助事業計画に合致した事業実施に必要なものとなっているか。
○事業費の計上・積算が正確・明確で、真に必要な金額が計上されているか。
出典:小規模事業者持続化補助金<一般型>第16回公募要領
審査基準は同じで入力項目が追加されている。これは、国がより具体的で実現可能な計画策定を求めていることであると推測します。
小規模事業者持続化補助金申請のポイントは、公募要領の審査の観点を理解した上で、具体的で実現可能な内容を説明することにあります。
以下の図を、国が求めている水準の申請書作成の参考としてください。
■ 略歴
土田 哲
中小企業診断士
ITコーディネータ
東京都よろず支援拠点コーディネーター
東京都中小企業振興公社城東支社経営相談員
東京都中央卸売市場経営相談員
一般社団法人 東京都中小企業診断士協会中央支部 執行委員/渉外部副部長