専門家コラム「テレワークと育児」(2020年12月)
1.はじめに
新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言以降、在宅勤務やテレワーク(リモートワーク)を行う企業も増えてきました。11月に入り、日本国内の感染者数は毎日過去最高を更新し、増え続けています。まだまだ収束まで時間がかかりそうなので在宅勤務は続くと思われます。私の会社(IT企業)でも4月からテレワークが始まり、たまに在宅勤務をするようになりました。そんな中、第一子が生まれました。テレワーク中の育児について取り上げたいと思います。
「テレワークとは、ICT(情報通信技術)を利用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方です。また、テレワークは、ワークライフバランスの実現 、人口減少時代における労働力人口の確保、地域の活性化などへも寄与する、働き方改革実現の切り札となる働き方でもあります。総務省では、関係省庁とも連携し、テレワークの普及促進に資する様々な取組を進めています。」(総務省より)
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/telework/
2.テレワークのメリット・デメリット
東京商工会議所の調査によると2020年6月時点でテレワークの実施率は67.3%。3月時点26.0%から大幅に増加しました。
テレワークの実施の効果として、
・コストの削減
・働き方改革(時間外業務の削減)が進んだ
・業務プロセスの見直しができた
などが挙げられています。
従業員にとっては以下のメリットが考えられます。
メリット
・通勤時間がなくなる
・家族との時間や趣味に費やす時間が増える
私は通勤時間がなくなったことで家事や育児に費やすことができました。昼休み中は気分転換に子供を散歩に連れていったり、仕事後は子供と一緒に買い物に出かけたりできるようになりました。
コロナ禍で「産後うつ」になる女性も多いと聞きます。産後の女性は赤ちゃんと二人きりで、人と会う機会も少なく孤独になってしまいがちです。夫がテレワークの場合、ちょっとしたときに会話することができ、「産後うつ」の予防にもなります。妻も気分が沈んだり、涙もろくなったり、疲れやすくなったり、育児に対する不安が多く、「産後うつ」になりかけましたが、私が近くにいることによって大分解消されたように見えました。
育児の大変さを夫婦で共有できることで、お互いを思いやるようになりました。
デメリットとしては以下が挙げられます。
デメリット
・セキュリティ面のリスクが高まる
・家での仕事はオンオフの切り替えが難しい
・コミュニケーションが少なくなる
育児中のデメリットとしては、子供が泣いてたら気になって仕方なくなります。集中するときはイヤホンをして、泣き声が聞こえないようにしてました。
私の場合は子供が小さいため経験がないですが、動きまわれるようになると父親が家にいると子供はうれしくなり、纏わりつき仕事にならなくなるそうです。
3.テレワークの取り組み
実際に業務で実施していることを紹介します。
<セキュリティのリスクが高まる>
セキュリティ面のリスクについて、ネットワークはVPNで接続し、オンライン会議などのコミュニケーションツールはセキュリティ面での評価が高いMicrosoft teamsを利用しています。
参考:テレワークを行う際のセキュリティ上の注意事項
https://www.ipa.go.jp/security/announce/telework.html
<仕事のオンオフの切り替え>
オンオフの切り替えのために仕事モードのときは外出のときの服装に着替え、オフィスに行くときと同じように身支度しています。
また、集中力を高めるためにアロマテラピーを活用してます。リフレッシュしたいときは爽快感のあるペパーミントのアロマを嗅いだり、リラックスしたいときは鎮静作用のあるラベンダーを嗅いだりしています。
<コミュニケーションが少なくなる>
忘年会や新人の歓迎会などの飲み会を開催する代わりにMicrosoft teamsやSkype、Zoomなどを使ってオンライン飲み会も行っています。自宅だと会社では見ることができない新たな一面を見ることもできます。社内でのコミュニケーション不足の解消にもなっています。
4.まとめ
アフターコロナでもテレワークはワーク・ライフ・バランス(生活と仕事の調和)のために重要になってきます。出社が困難な子育て世代や親の介護が必要な方々にとってテレワークは良い働き方です。
育児休業制度を取ることも考えましたが、テレワークによって働きながら育児に参加できたことはよかったです。次に子供が生まれたとき、テレワークがなかったら育児休業制度を利用したいと思います。
今後もこの生活が続くと思われるので、快適にテレワークをしていきたいです。テレワークを導入する方々と子育て世代の方々の参考になれば幸いです。
●略歴
佐藤 栄一郎
中小企業診断士、ITストラテジスト、アロマテラピー検定1級、カラーコーディネーター検定2級、eco検定(環境社会検定試験)
一般社団法人東京都中小企業診断士協会中央支部(広報部副部長、総務部、青年部)