専門家コラム「昨今の円安基調を活かせ!」(2013年4月)
◆欧州への輸出を検討したが断念!
当社が、欧州への輸出を検討された時期は、長期間にわたる円高が継続していたため採算ライン乗らず、また、欧州への精密機械部品の輸出には、大きなネックがありました。
輸出先各国の法規制や認証制度への対応が求められたからです。具体的には、CEマークの取得が義務づけられており、有望市場にもかかわらず最終的に断念せざるを得ませんでした。
◆円安基調で輸出を再検討!
アベノミクスのお蔭か、長期間継続した円高も、現在は米ドルは100円、ユーロは130円で採算的にもペイラインに乗ってきており、当社は、再度輸出を再検討しました。
販売チャンネルに関し、セールスレップ方式や販売代理店方式等についての本格検討に着手しました。
◆CEマーク取得をどのようにすればよいかわからない!
採算とともに大きなネックであったCEマーク取得に関し、平成24年10月に都立産業技術研究センター内に新設された、国際規格や海外の製品規格に関する相談や情報提供、海外の製品規格に適合した評価試験などの技術的な支援を行っている「広域首都圏輸出製品技術支援センター」の専門家無料相談を活用しました。
※広域首都圏輸出製品技術支援センター(東京都立産業技術研究センター)
http://www.iri-tokyo.jp/mtep/index.html
◆CEマーク取得には時間とコストがかかることが判明!
広域首都圏輸出製品技術支援センターの相談で、CEマーク取得には時間とコストがかかることがわかりました。このハードルをクリアするために、当社は、平成25年度、東京都の新規事業である「海外展開技術支援助成事業」の活用を検討しています。
本制度は、東京都内に主たる事業所を持ち事業を営んでいる中小企業者の、①海外向けの製品改良、試験評価、実証データ取得、②海外規格への適合性評価、認証取得(ISO、IEC、CEマーキング、RoHS指令等)、③海外展開に向けた社内体制整備(ISOマネジメントシステムの構築)に対し、平成25年4月1日から最長平成26年12月31日まで、500万円を上限としてその経費の2分の1を助成するものです。
※海外展開技術支援助成事業(東京都中小企業振興公社)
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2013/01/20n1l300.htm
景気低迷により国内需要は飽和状況、あるいは減少傾向にある中で、円安基調を受けて、あなたの会社の部品・製品を海外へ輸出することを検討されてはいかがでしょうか!
■加来 国雄(かき くにお)
株式会社中小企業経営コンシェルジェ代表取締役社長
東京都中小企業診断士協会中央支部執行委員
東京商工会議所海外展開コーディネーター
著書:
「海外ビジネスハンドブック」
「はじめて海外と仕事をするための基本コース」