グローバル・ウインド「タンザニア旅行で気づいた3つのこと」(2019年07月)
Global Wind (グローバル・ウインド)
中央支部・国際部 藤田 有貴子
1.はじめに
「タンザニア、行ってみる?」
仕事でタンザニアに行っている友人を含めた仲間での飲み会で話した際の会話。盛り上がって、そのまま2か月後、ちょうど平成から令和になった2019年のゴールデンウイークにタンザニアに6日間(現地滞在3日弱)行ってまいりました。(画像はイラストAC)
今回はそんな「タンザニア旅行で気づいた3つのこと」について書かせていただきます。
2.タンザニアについて
タンザニアというとどういうイメージがありますか?
回答1「アフリカの国、ですね」
-正解です!アフリカ大陸を地図で見ると、右の真ん中(赤道)から少し下、東アフリカにあります。なお、タンザニアの北にケニアがあります。アフリカということでサファリや動物も触れ合える場所も多いです。
回答2「キリマンジャロ!」
-そうですね。キリマンジャロはアフリカ最高峰の山ですし、コーヒーも有名ですね。(画像はイラストAC)
回答3「ザンジバル?」
-正解です。映画「ボヘミアン・ラプソディ」でフレディー・マーキュリーの生地のあるザンジバル島もタンザニアにあります。私は旅行が決まってから知人の方に教えていただきました。
その他の特徴は以下の通りです。
・国土は、日本の約2.5倍、人口は、日本の約半分。
・民族はバントゥー系黒人が国民の95%
・国語はスワヒリ語。公用語はスワヒリ語と英語。
→機内アナウンスも英語のみでスワヒリ語はありませんでした。サファリへのガイドドライバーさんも英語が話せ、英語が話せればそんなに困らないと思います。
・宗教はキリスト教30%、イスラム教35%、伝統的宗教35%
→様々な宗教が混在しています。2019年4月グローバル・ウインド「ガーナでのJICA専門家プロジェクト(工場カイゼン)の6年間の総括(2019年04月)」(田島悟さん)にも書かれている通り、タンザニアでも異なる宗教でも協調して過ごしているそうです。
・1人当たりGDPは、13万円(日本の2%)<<日本448万円
・産業は、第一次産業(農業・林業・水産業)がGDPの半分以上、輸出の80%、雇用の85%を占める。キリマンジャロのコーヒーは人気の主要輸出品。第二次産業は、鉱業で宝石のタンザナイトが有名。第三次産業では、観光業がGDPの18%、外貨収入の25%を占める。2016年観光客数は128万人(日本240万の約1/2) 、1995年の2倍。ンゴロンゴロ保全地域やセレンゲティ国立公園などでのサファリ、キリマンジャロへの登山、ザンジバル島のストーン・タウンなど歴史遺産など
出典:外務省タンザニア基礎データ、JICAタンザニアの政治・経済概況、Wikipedia
3.タンザニアに行くには?
1)航空券・ホテル・ツアーについて
主な航空ルートは、成田国際空港と関西国際空港からエミレーツ航空(ドバイ経由)やカタール航空(ドーハ経由)、エチオピア航空(アディスアベバ経由)がメジャーなようです。今回はゴールデンウイークで、同行者の関係で羽田空港を利用したため、中国南方航空・ケニアエアウェイズのコードシェア便を利用しました。羽田空港⇒中国広州白雲空港⇒(タイ経由)⇒ケニア・ジョモケニアッタ空港⇒タンザニアダルエスサラーム空港でした。なおチケット予約サイトでとることができました。
ホテルは、現地にいる友人のおすすめと口コミをもとに予約サイトでとりました。ダルエスサラームの市街地にある1泊5,000円で快適なホテルに泊まれました。
滞在中のプランの選択肢は、①サファリ、②ザンジバル、③キリマンジャロの3つがあがりました。滞在期間が短かったことと同行者の興味で、移動が長い②、③は断念し、①サファリに行くことにしました。サファリはタンザニア国内に5つほどあるそうですが、日本人のいる現地の旅行会社に相談し、主に滞在するダルエスサラームから最も近い(といっても片道車で5時間!)「ミクミ国立公園(Mikumi National Park)」に申し込みをしました。
トータルの旅行費用は、航空券とホテル、オプショナルツアーの合計で30万円弱でした。なお、タンザニアのツアー旅行の値段は8日間で最低50万円台からのようで、キリマンジャロやザンジバルも含めて広く回るものが一般的のようです。サファリのオプショナルツアー費用の支払いは銀行振り込みのみで時間も手数料もかかり、現地の友人に建て替えてもらったりしたので、現地にお知り合いがいない場合は治安面を考えてもツアーが安心かもしれません。
2)治安面
私たちが訪れたタンザニア最大の都市ダルエスサラームは、タンザニア国内から出稼ぎに来るという街であり、ひったくりが多く、治安が良くないとのことでした。
対策として、出発前は①盗難にあったときのために旅行保険に入ること(クレジットカード付帯の旅行保険は特約に制限があるので、確認が必要)、②クレジットカードの限度額は減らしておくこと、滞在中は、①できるだけ路上を歩かないようにする(ドライバーや配車アプリの車を使って移動する)、②荷物は肩掛け禁止(肩掛けだとひったくりに合う際、そのままひったくられて命にかかわることがあるため)に留意しました。パスポートやお金などは首から下げるホルダーで持ち歩きました。
なお、入国には渡航ビザが必要ですが、「アライバルビザ」という現地の空港到着後にとることが出来ました。
なお、外務省の「たびレジ 」に登録すると、出発前に旅先の安全情報を入手したり、旅行中も最新情報を受信したり、現地で事件・事故に巻き込まれても素早く支援があるなど安心とのことです。登録することにしました。
3)衛生面
感染症に備えて予防接種が必要です。私は予防接種などを多く取り扱っている「トラベルクリニック」で、渡航先の国名(タンザニア)を述べ、A型肝炎、チフス、破傷風の予防接種を受けました(費用は2万円強)。なお、ザンジバル島に訪問する際は黄熱病の予防接種が必要とのことです。黄熱病の予防接種はトラベルクリニックでは受けられず、検疫所でのみで受けられます。幸い、私たちが訪問したダルエスサラームやミクミは黄熱病の対象地域外で受けないですみました。
感染症の代表的な病気であるマラリアやデング熱は予防接種がなく、発症後に薬で対応するそうです。これらの病気は蚊によって感染するので、対策のためにはディート成分入り蚊など虫の予防スプレーを日本で購入しました。
4)通信面
快適に過ごすためには、大事になってくるのが通信面です。空港、ホテルにはWi-Fiがあります。日本の携帯キャリアからローミングもできました。なお、携帯電話をキャリアに手数料を払ったうえでフリーSIMにして、空港などで売っている現地のSIMカードを買うと安いそうです。
4.タンザニア旅行で気づいた3つのこと
1)タンザニアで日本は愛されている!
そう断言できる理由は、日本で使われていた自動車がタンザニアで走っていることです。
街中で建設会社、商用車、幼稚園やデイケアセンターなど日本の会社名や施設名入りのトラックをよく見かけました。(写真をとれなくて残念です。)「日本車はとても性能が良い」とドライバーが話していました。
タンザニアと日本の共通点として、コメが主食の1つであることやシャイな国民性ということがあります。東アジアの中国、韓国と日本でも国民性に違いがあるように、東アフリカでも国によって国民性が異なるそうです。
海外進出しようとするとまずエリアを思い浮かべがちですが、その地域でみた国民性ということにも注目するとよいのかもしれません。
2)安全・信頼とは当たり前ではない、大きな付加価値である
治安面の対策について述べましたが、安全・信頼について考えが変わりました。
ダルエスサラームでは道で走っているタクシーに乗ると知らないところに連れていかれ身ぐるみを剥がされることが多いそうです。安全なのは配車アプリ(タンザニアではUBER)で呼ぶ車だそうです。
私も滞在時何回か利用しましたが、清潔な車に乗ったドライバーが目的地まで、黙々と、確実に移動してくれました。配車アプリではドライバーの評価の履歴が記載されており、一度悪い評価がついたら、二度とその仕事ができなくなります。評価の積み重ねを見て、お互い安全・信頼をみていかないといけないというのは、日本ではごく自然に受け入れられている安全・信頼というのは大きな価値だと気づきました。
3)国際展開をしている企業に転職という国際派キャリアの形もある
旅行のきっかけになった友人は、海外で仕事をしたいという希望で、海外で事業を展開する会社に転職したそうです。今まで、国際派キャリアというと会社の異動で海外に赴任された方や海外に派遣される専門家という方というイメージがありましたが、海外展開している会社に転職するという方法があると今回知ることが出来ました。
就職する前にインターンとして、タンザニアに3か月ほど滞在している学生さんもいるそうです。若いころから世界視点を目にするというのは素晴らしいですね。
なお、海外のお仕事についてはJICAの「PARTNERS」というサイトで紹介されています。
5.最後に
いかがでしたでしょうか。アフリカ大陸は初の経験。タンザニアの街を移動して気づいたのは建物も洋服も色彩が豊かで明るく鮮やかなこと。豊かな色彩に元気をいただきました。
世界がもっともっと近くなる時代。いろいろな国や文化があって、それは実際に訪れないと分からないことも多く、これからも実際に出かけていきたいと思いました。この記事で、少しでもタンザニアのことを伝えることが出来たら幸いです。
■藤田 有貴子(ふじた ゆきこ)
平成28年(2016年)中小企業診断士登録、現在4年目の企業内診断士。国家資格キャリアコンサルタント。慶応義塾大学大学院卒業後、シンクタンク、事業会社で調査分析マーケティング業務、中小IT企業にて新連携補助金を活用した新規事業プロジェクト従事後、現職では中小企業の人材確保支援の業務に従事。企業にあるリソースとオープンデータで可能性の幅を広げてスピーディーに解決し、下からチームで提案する形と仕組み化でじわじわ推進していくスタイルを好む。今年の目標は自分がやりたいことをすること。中央支部国際部所属。