グローバル・ウインド「国際化支援最前線!!中小企業経営の国際化支援先輩に聞く!!#06」(2019年07月)
Global Wind (グローバル・ウインド)
#06 支援先の永続的な成長のために、グローバルな視点も取り入れよう! 大石泰弘さん
中央支部・国際部 井原美恵
【基本データ】
半導体メーカーで、生産管理を27年、経営企画を5年というご経験の大石さん。早期退職後に法政大学大学院の養成課程でMBAと診断士資格を取得し、独立診断士となられました。「80歳まで現役コンサルでいよう」と決め、決意が揺るがないようポケットチーフを胸元に入れて活動しているそうです。現在は国内業務に注力なさっている大石さんに、診断士としての国際化支援のありかたについてお話を伺いました。
(2019年5月28日インタビュー)
1 | お名前 | 大石 泰弘 (おおいし やすひろ) |
2 | 所属・種類 | ピープル総合経営研究所 代表 |
3 | 診断士歴 | 3年 |
4 | 独立して何年? | 3年 |
5 | 独立までの職歴は? | NECで半導体の生産管理を27年、ルネサスエレクトロニクスで経営企画を5年 |
6 | 得意な語学 | 英語 |
7 | 得意な業界 | 製造業 |
8 | どんな活動をされていますか? | ・千葉県事業引継ぎ支援センターで、親族内承継のブロックコーディネーター ・補助金申請書の申請支援や書籍の共同執筆 ・国立大学の外国人留学生を対象とした、就職活動ガイダンス(英語で実施) |
【グラフで見る!私の診断士事業】…注)数値はご本人の感覚値です!
1. 国際化業務って…?
診断士登録前は、海外駐在も通算9年、海外出張も多く英語も得意な「国際派サラリーマン」だった大石さんですが、現在の活動拠点は100%が日本国内であり、外国語を使う業務も1%。国際業務に関われる診断士と関わらない診断士に分かれるのではなく、少し勉強すれば一般的な海外業務支援の知識は誰でも持つことができ、ある国固有の事情など特殊な知識や技能が必要な支援部分は専門知識を持った人に、それ以外は自分で問題解決するような診断士が増えてほしい、という夢をお持ちです。
2. 診断士事業の内容って…?
大石さんの仕事の割合は、公的案件専門家90%、審査等コンサル以外の公的案件5%、民間執筆3%となっています。案件獲得ルートは、「公的機関の委嘱」が80%、続いて公募・専門家登録先からが10%、研究会経由が5%、知人経由が5%です。大石さんは、「独立した年に、いろんな社長さんと接してみると、高齢でも事業承継が経営課題だと認識されてない方がほとんどだと知って、日本の将来に危機感を感じ、事業承継の勉強をしました。そして事業承継の仕事につけて幸運でした。」とおっしゃっています。将来、80歳まで現役でいるために、民間顧問の割合を増やしていくことを計画し、(教育セミナーではない)集客セミナーの準備をされているそうです。
3. 時間マネジメントは??
事業承継の相談が地道な広報活動の成果としてどんどん増加し、多忙を極める大石さんの一日を垣間見てみましょう。お仕事時間は、コンサルティングが一番長く、それと同じぐらい事前準備に時間を割いていらっしゃいます。その次は移動時間となっています。診断士協会は東京と千葉と茨城に別々の目的で入会し活動されているので、移動時間は多くかかっているそうです。移動時間の有効活用が重要とおっしゃっています。
睡眠時間は25%。睡眠をしっかりとって健康を保ち、スキルアップの時間を8%確保なさっています。事業承継支援と年輪経営の情報収集と普及に力を入れてコツコツ続けていらっしゃるそうです。趣味は4%となっていますが、健康づくりと仕事にも役立つボイストレーニングや合唱をされているそうです。このコーナー前出の先輩方同様、良い仕事のためには、良い休息が必須であり、スキルアップや趣味も重要なのでしょう。
【教えてください!私の仕事術】
Q:営業方針・戦略は?
A:企業が、社員が自律的に頑張り、好業績が継続し、社員の成長によって会社も成長する年輪経営と、その永続とを支援したいと思っています。でも、年輪経営が看板では集客がたいへんなので、私の強みがわかりやすい、「付加価値を増やせる生産計画」を看板にしようと思っています。また、経営者に代わって問題解決するのではなく、経営者自身が解決できるようにするパートナー型のコンサルタントをめざしています。「経営者が最後に笑えるコンサルタント」になれたらと思います。
Q:今後勉強したい、深めたいことは?
A:パートナー型コンサルティングの実践方法と年輪経営支援プログラムです。
Q:一番大事なオシゴト道具は何でしょうか?
A:PCです!
Q:職業としての中小企業診断士、一言でいうと?
A:芸妓です。顧客からお呼びがかかってなんぼの世界です。商品は目に見えないのに、顧客に「こいつにまた頼もうか」と思ってもらうためには、成果を出すだけでなく、顧客が聞き入れてくれるように話さなければならないし、相手がついついしゃべってしまうように聞かなければなりません
Q:最後に、今後中小企業の国際化支援に携わりたい診断士の皆さんにひとこと!!
A:経営者、消費者のどちらかが外国人であれば“国際派” であり、身近に機会はいっぱいあるのではないでしょうか。また、国内市場に日本製品を売っている企業であっても、世界のトレンドをつかみ、グローバルな視野からアドバイスするのは大切な国際化支援ではないでしょうか。
(インタビュー&文責:井原美恵 中央支部国際部)