グローバル・ウインド 「日本にいながら世界が味わえる、お手軽・本格グルメのススメ」(2017年3月)
Global Wind (グローバル・ウインド)
「日本にいながら世界が味わえる、お手軽・本格グルメのススメ」
水口 淳一郎
はじめまして。今年度国際部に入部しました水口(みなぐち)です。
私は2016年7月に診断士登録をいたしました、国内で仕事をする企業内診断士です。海外は、かなり前に短期留学(3ヵ月間)と旅行のみで、残念ながら就業経験はありません。今まで、ジャマイカを皮切りに、アメリカ、シンガポール、韓国、中国、タイ、インドネシア、台湾に訪問しています。
今回のグローバルウィンドウは、最近海外に行くことができていないため、自分がとても気に入った日本にいながらお手軽に味わえる・世界の本格グルメをそのニーズや背景とともにご紹介したいと思います。
■お手軽に本格グルメを味わいたいニーズなんてあるの?
手間をかけずに、おいしい料理を味わいたいニーズは、あるんです!
下記をご覧ください。
【働きたい女性が増加】
厚生労働省の発表によると、女性労働力人口は、昭和 60 年以降ほぼ一貫して増加の傾向にあります。平成 27 年の女性の労働力人口は 2,842 万人となり、平成26年よりも18万人増加しました。一方男性の方は、平成27年の男性の労働力人口は 3,756万人となり、平成26年よりも7万人減少しています。
また昭和 60 年の女性の労働力人口2,367 万人に比べると、平成27年の女性の労働力人口は475 万人増加しています。一方男性の方は、昭和60年の男性の労働力人口3,596 万人に比べると、160 万人の増加に留まっています。労働力人口総数に占める女性の割合は年々増えています。
出所:厚生労働省「平成27年版働く女性の実情」より
近年は、働き方改革の推進もあり、長時間労働の抑制・年次有給休暇の取得促進など、子育てをしている女性にとっても働きやすい環境が整備されてきつつあります。
今後ますます働く女性が増加することで、夕食にあまり時間をかけることができない方が増えてきそうです。
【ホームパーティー需要が増加】
最近は仲間と一緒に、パーティールームや自宅で美味しい料理を食べたいというニーズも増えているようです。ホームパーティーカルチャーの普及を促進している一般社団法人ホームパーティー協会が16~40歳代までのホームパーティーに関心のある男女に行った調査を行った結果、約6割の人が「ホームパーティーへの参加回数が増えた」と回答しています。18歳以上のホームパーティーに関心のある女性に対して、ホームパーティーと手料理に関するアンケート調査を行った結果では、ホームパーティーで手作り料理がメインとする女性は約64%と約2/3の割合を占めている一方で、ケータリングをメインとする女性も12%と一定の割合いるようです。
普段、口にすることが多い和食、中華、イタリアンなどの料理は手作りで、どちらかというと普段作らない(食べることが比較的に少ない)料理はケータリングで、と使い分けをすることで、本格的な料理も手軽に楽しんでいる様子がうかがえます。
引用「一般社団法人日本ホームパーティー協会」http://hpaj.org/ より
【世帯あたりの人口の減少】
厚生労働省の調査結果では、シニア人口や単身世帯、夫婦のみの世帯が増え、児童のいる世帯が減っています。昭和61年には26.0%だった高齢者(65歳以上)のいる世帯は、現在では47.1%と21.1ポイントも増加しています。その結果、料理に手間をあまりかけずに、美味しいもの少しずつ食べたいというニーズが出てくるのだと思います。
出所 厚生労働省「平成27年 国民生活基礎調査の概況」より
これらの結果から、調理にあまり時間をかけずに、本格的な料理を食べたいときに、手軽に味わえる食品の需要が増加傾向にあります。
例えば、冷凍食品。近年は、冷凍技術がより高度化して、常温解凍でもおいしてく食べられる冷凍食品も増えています。また、賞味期限が生鮮食品と比べて長く、食べたい量を食べたいときに食べられるといった特徴があって需要が伸びています。
食卓の脇役からメイン料理の座につくのも、そう遠い話しではなさそうです。
■1906年に、フランスで創業した冷凍食品専門のスーパー「ピカール」
1店目のお店のご紹介をします。
日本では、“冷凍食品専門スーパー”というのはほとんど聞いたことがありませんが、「ピカール」は、フランスではパリ市内を中心に出店しており、イタリア、ベルギー、スウェーデンなど各国で約1,000店舗を展開しています。
国内ではイオンと提携して、首都圏のいくつかのイオン店舗にて高級冷凍食品として販売されているほか、路面店としても出店しています。2017年2月時点では、青山骨董通り店、中目黒店、麻布十番店、品川シーサイド店、東雲店、東久留米店のほか、インターネット上にもEC 店舗があるようです。
フランス発の“高級冷凍食品専門店“ということで、とても興味がわきました。一般的に、冷凍食品は、日常的に購入できる値ごろ感のある価格設定が多いのに「高級×冷凍食品」という“意外性”があります。さらに「専門店」ということで、ここでしか買えない“特別な商品”がある可能性も高いからです。
そこで、こないだ麻布十番店に行ってきました。こちらのスーパーは、普通のお店ではあまり見かけないフランス料理の冷凍食品が、彩りよく並んでおりました。オードブルから、肉料理、魚介類、パスタ、パン、デザートなどの豊富な種類が提供されました。
一般にスーパーでは、POP広告が張られて店内の賑わいを演出しているのを良く目にしますが、「ピカール」の店内はどちらかというと整然として、POP広告はほとんどないのに驚きました。
値段は、一般の冷凍食品よりもやや高価(500円位から2,000円程度の価格帯)という設定でしたので、フランス国内でよく食べられているフランス料理を日本にいながらお手軽に楽しめました。
レジで貰えたデリスタペーパー(デリシャス+インスタグラマーの造語)の上に購入した冷凍食品を温めて載せてみました
■フランス・パリで伝統的なこだわりのパンを提供する「メゾン・ランドゥメンヌ」
2店目のお店のご紹介をします。
フランスついでに、“海外初出店が東京”という伝統的なパンを製造しているパン屋さんにも行ってきましたので、ご紹介します。
2007年創立にも関わらず、フランス・パリで既に8店舗を展開。クロワッサンなどのパンで数々の賞を受賞している人気店で、原材料にこだわった伝統的なパンに人気を博しています。日本では、東京の麻布台に出店しました。
2017年1月5日の初売りで購入したパンセット(デギュスタシオン・バックと呼ばれていました)
目玉商品であるクロワッサンは、日本製バターを使ったものが1個約300円で、フランス製バターを使ったものは1個約500円でした。
フランス製バターのクロワッサンと、日本製バターのクロワッサンの両方を購入して食べ比べをしてみるのもおススメです!
■水口 淳一郎(みなぐち じゅんいちろう)
東京都出身。東京理科大学大学院 理工学研究科 情報科学専攻 修士課程修了。鉄道情報システム株式会社に入社し、新規事業立案、営業戦略やマーケティング戦略策定、人的資源やワークライフバランスを考慮したソリューション提案活動に従事。
2016年7月中小企業診断士登録、東京協会中央支部国際部。システム監査技術者、上級システムアドミニストレータ。