グローバル・ウインド 第2回 東京都中小企業診断士協会 国際交流会報告(2014年3月)
Global Wind (グローバル・ウインド)
第2回 東京都中小企業診断士協会 国際交流会報告
今年のテーマは、『 外国人のワークライフ・スタイルと価値観の理解 』でした。今回は3部構成で、基調講演、パネルディスカッション、飲食を交えてのテーブルディスカッションという流れで交流会が進行していきました。
講師やパネリストの多くが女性だったこともあり、女性の診断士の参加者も多く、華やかな会場となりました。
第一部は、シェアトモ代表の山川智子氏より「異文化コミュニケーション~仕事、生活、価値観、そして女性観~」という内容でスピーチがありました。自身の異文化経験と、企業と留学生の同居プログラムのビジネスで培った経験則から、異文化コミュニケーションについていろいろな切り口から話を展開していただきました。異文化コミュニケーションで大切なのは、受容力、問題解決力、ツールとしての英語、コミュニケーション力とのまとめがありました。日本人として、異文化のもとコミュニケーションを図っていく中で、発信していく力がまだ弱いので、まずは、思っていること、考えていることをどんどん発信していくことが必要であると、強調しておられました。一般的に日本人は、正しいことを言わなければならないとか、欧米人に対する劣等感などで、意見を出すことに臆して慎重になるあまり、中々思っていることを理解してもらえないことがあります。わかっていながら殻を破れないのが現実ですが、どんどん恥をかきながら、自分の意見に自信を持って堂々と意見を出していきたいものです。同時に、相手の文化的な背景にも尊敬をもって理解していくこともとても大切ですね。
山川さんの基調講演のプレゼンシート
第二部は、アメリカ人のジェームス・バクスターさん、イギリス人のビクトリア・ボーラムさん、インドネシア人のソスロ・ウィボウォ・カルソスモさん、ロシア人のクロダ・アナスタシアさん、ミャンマー人のダン・エン・オンマー・チュさん、フィリピン人のメアリー・トレンティノさん、そして、日本人の山川智子さん、7か国の代表の方によるパネルディスカッションとなりました。
第2部のパネルディスカッション
後藤さえさんによる関西弁でのウイットの利いた絶妙の司会進行で、多くの笑いがあり、とても和やかな時間となりました。また、あらかじめ、参加者とその家族等からアンケートを取っていた関係で、アンケート結果を見ながらパネリストが意見を出していくという流れで進みました。アンケート結果は、国際的な仕事を経験してきている中小企業診断士とその家族からの回答であったので、典型的な日本人というよりも、より国際的な感覚が反映された内容になっておりました。夫婦で共働きは、先進国や、アジア諸国の都市部では当たり前となっているようで、夫が家事や子育てに深く係るのが一般的になってきているとのことでした。子育て事情に関しては、パネリストの皆さんも熱く語っておりました。イギリス人のパネリストボーラムさんは、日本の保育園の素晴らしさに触れており、特に延長保育の値段もリーズナブルとのことです。
グローバルなコミュニケーションでは、ユーモアも大切だという意見も何人かから出ました。何かあっても、ハッハッハと笑い飛ばせるような、ユーモアのセンスが円滑な関係作りを助長してくれるようです。
第三部では、2つのセッションとまとめからなり、国別でテーマに沿ってフリーディスカッションする時間となりました。軽食をつまみながら、それぞれのテーブルで熱い意見交換がなされ、いい雰囲気が漂っていました。
1つ目のセッションは、「あたなは、外国人と付き合うときに、感覚や価値観の違いを感じたことはありますか?「ある」と答えた方、どのように向き合っていますか?」という内容でした。自分のテーブルは、インドネシアコーナーでしたが、いろいろな意見がでました。インドネシアに興味のある参加者の方が集まって、話し合いをしました。自分のいたテーブルでは、外国人と向き合う時に、大切なポイントとして、①能力を公平に評価すること、②飲ミニケーション、③とにかく表現力、④とにかく喋ること などが挙げられていました。
次にメンバーチェンジして、新しいメンバーで次のお題に取り組みました。「日本企業のグローバル化、ここが足りない!?ここが課題!?」という内容です。ここも外国での滞在経験豊富な参加者の方々からも諸々の意見がでました。私たちのテーブルでは、日本企業の良さや自社の強みに自信を持って自ら発信していくことが重要であるという意見にまとまりました。
そして、最後に、「異なる価値観を理解するポイントは●●!」というポイントを各テーブルごとに発表し合って終了となりました。
第3部の交流会の風景
終わってしまうとあっという間の4時間でしたが、基調講演、パネルディスカッション、
テーブルごとのディスカッションという中身の濃い時間となりました。来年は、第3回となりますが、更にブラッシュアップされてエキサイティングな時間になることでしょう。
これから、日本の中小企業がグローバル化に向けて異文化に触れていく中で、相手の文化を深く理解して違いを受け止めていくと同時に、どんなに小さなことと思えても、自分たちの考えや思いも自信を持って積極的に表現していくことで相互の交流が深まっていくことでしょう。中小企業診断士として、その活性化を担う役割が期待されていくことと思量します。