専門家コラム「成果を上げる経営者とそうでない経営者の違いは」(2013年6月)
0. はじめに
最近2社の企業の支援を行いました。そこで成果を上げる経営者と、そうでない経営者の違いで感じるところがありました。その違いを私なりに考えてみましたので普段の皆様の行動に当てはめて考えてみてください。
1. 成果を上げる経営者の特徴
成果を上げる経営者は、まずこちらの言うことを素直に聞いてくれます。あれこれ言い訳はしないです。指摘について「なるほど」とうなずいて、すぐに受け入れます。
実行力がすごいです。決断も早いし、それを実行に移すまでの時間もとても速いです。自ら先頭に立って、どんどん知恵をだし、しかも部下や関係企業、顧問を巻き込んで進めていきます。走りながら考えるという表現がぴったりです。
粘り強いです。成果が出るまでしつこいぐらい追求します。加えてマメです。
相手の立場に立って、わかりやすく話されます。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、時にはホワイトボードを使って、図解までして、わかるようにたとえも豊富にお話しされます。
そしてこれが一番だと思いますが、明るく、前向きです。小さいことにくよくよせず(もしかしたら、しているのかもしれませんが、それは表に出さず)、笑い飛ばして、ともかくやってみようという姿勢です。
2. 成果を上げられない経営者の特徴
それに対して成果をなかなか上げられない経営者は、まず素直ではありません。「それならやりました。でも効果がありませんでした」というようにすぐ反論します。でもよくお伺いすると、過去に実践したことの振り返りをしっかりしておらず実施した結果だけにとらわれていることが多いです。
さらに思い込みがはげしく、固定観念に固まっていて、こちらの提言の本質をとらえず表面的なことで、あるいは論点がずれたことで反論されます。
また自分の意に沿わない(気に入らない)アドバイスには、出来る前提ではなく、出来ない前提で(やらない前提)でお話をされます。
しかし、打ち上げ花火的に、あるいは思いつきで販売促進策などを行うことは好きです。しかも即効性を求めます。(特効薬を我々がくれるみたいに考えています)でもそれは対症療法であって、継続性もないので、効果が出ないとすぐやめてしまいます。そして次の新しい策に走ります。
現場におろすことを、異常に嫌がります。結局部下や従業員の方とうまくコミュニケーションがとれていない(とりたくない)のです。部下から反論されたり、抵抗されたりするのを嫌がっているようにも見えます。
3. 中小企業診断士のご活用を
さて皆様はいかがでしたでしょうか?成果をあげられる経営者の行動原則に当てはまっていましたらきっと業績も向上されているでしょう。もし成果があがっていなければ、ちょっと立ち止まって自分の行動や考え方を振り返ってみませんか?
でもなかなか自分のことは振り返るのは難しいです。だから我々中小企業診断士が客観的な第三者の目でアドバイスいたします。ぜひご活用ください。その際、上記のような成果があがらない経営者の行動や態度はとらないでくださいね。
■河合 正嗣
中央支部 副支部長、東京協会 広報部部長
有限会社トライアルプロモーション 取締役 コンサルティング事業部長
中小企業の中期経営計画策定、販売促進活動支援、新商品開発支援などを行っている。
また、各地の商工会議所、中小企業大学校などで、新商品企画、マーケティング、企画立案、プレゼンテーション技術、提案営業などについての講師も務めている。
著書に『<ヒット!>商品開発バイブル』『アイデア量産ノート』(明日香出版社)『入門!企画道場 絶対ボツにならない企画書の作り方』(すばる舎)『勝つマーケティングの教科書』(中経出版)などがある。