専門家コラム「ウェブ入力フォームの活かし方」(2016年12月)
久保 和也
ウェブサイトからのお問合せや、何らかのお申し込みの際など、
サイトに訪問した人が、サイト運営者に要望を送信するツールとして、
入力フォームが広く使われています。
過去はメールアドレスをそのままサイト上に掲載するケースもありましたが、
利便性から最近はあまり見られなくなりました。
入力フォームの利便性は、
・送信する側は、サイト上から簡単に送信できる。
最近はエラー入力を事前に防ぐなどおもてなし機能も充実。
・受信する側は、意図しない迷惑メールが大量に送られてくることがほぼなく、
大切なメールが埋もれるリスクが抑えられる。自動応答メールも便利。
などです。
このように、送信する側、受信する側、双方にとって利便性の優れる入力フォームですが、
受信する側の最大のメリットは、送信する側の直前の行動を解析できるようになることです。
▼入力フォームを起点に解析&改善する
ウェブサイトのKPIは、お問合せ、お申し込み、商品購入など、
訪問者からの送信を指標とするサイトが一般的です。
その場合、直前のページは入力フォームです。
解析すれば様々なことがわかり、改善効果が最も出やすいページでもあります。
ただ、サイト運営側がしっかりと解析をしているかというと、
そうでもないケースもあり、非常にもったいないです。
入力フォームの解析では、
基本的には、以下3つの指標を見ていただければと思います。
・入力フォームに来てくれた訪問数
→サイト全体の訪問数に対して、割合は十分か?
→入力フォームへの誘導は十分か?
・入力フォームに来て、発信してくれた訪問数
→入力フォームの訪問数に対して、割合は十分か?
→不要な入力項目はないか?
・送信してくれた訪問者は、どのページから入力フォームに来たのか
→どのページで送信の動機付けが行われたのか?
Aページから入力フォームに来て送信した割合が多ければ、、、
→Aページへの誘導を強化しよう
→他のページをAページのようにしよう
→Aページをもっとよくしよう
このような改善活動がしやすくなることが、
入力フォームの最大のメリットではないかと思います。
▼EFOツールでさらなる飛躍
近年はEFO(入力フォーム最適化)と呼ばれる入力支援機能も充実しており、
フォームの入力がストレス少なくできるようになりました。
例えば、
・入力スペースに薄っすら色がついていてわかりやすい
・わかりやすい例示がある
・フォームの残り項目数がリアルタイムで表示される
・カナや住所の自動入力してくれる
・入力ミスを直後に指摘してくれる
などです。
これに加え、解析性能もUPしています。
例えば、
・フォームに来た人がどの項目でつまずいているかわかる
・どのくらいフォーム入力に時間がかかっているのかわかる
などです。
これらを活用すれば、
・3番目の項目に取り組んでいる時に、帰ってしまう割合が高い
→改善を検討
→そもそもこの項目が必要?
・5番目の項目は入力に時間がかかっているようだ
→セレクトメニューにして簡素化しよう
といったさらに細かな改善ができるようになります。
入力フォームの改善は、KPIに直結するため、大きな成果につながります。
優先して取り組みたいポイントではないでしょうか。
●略歴
久保 和也
中小企業診断士
一般社団法人東京都中小企業診断士協会中央支部所属