インテリア業界とは?

一般にインテリア業界という表現を使っているが、令和5年の第14回改定分の総務省日本標準産業分類で「インテリア」と表記されているのは、「7261:インテリアデザイン業」だけである。インテリアとはエクステリアに対する屋内空間を示すものであり、ここでの考え方として「インテリア業界」を構成する産業をさらに広く捉えるものである。「インテリアショップ」という小売業態では、繊維製品を含む雑貨などが主な取扱商品であり、「おしゃれなインテリア」という具合に使っている。

202504_業種業界トピックス

インテリアを構成する具体的な製品として、家具や照明器具、空調機器、水回り機器、カーテンやじゅうたんなどのインテリアファブリックス、衛生機器、電化製品、雑貨などを「インテリアエレメント」と表現する。

インテリアエレメントそれぞれについては商流面や物流面で特徴があるが、おおむね他の製品と同様、流通システムからは、メーカーから卸売業、Eコマースを含む小売業、施工業など業種別に捉える事ができる。DIYで消費者が自ら購入し取り付けることのできるものもあるが、製品の性格上、設定や設置、取り付け、設定等に専門技術を必要とする場合も多く、エアコンや壁紙、バス・トイレなど小売業者と施工業者が一体となって流通している。

インテリア関連の市場の大きさは?

インテリア関連の市場を建設工事施工統計調査と経済構造実態調査の結果から約19兆3,414.2億円と考えられる。このうち66.9%がインテリアエレメントで33.0%が内装工事等で、インテリアデザインは全体の約0.1%である。

インテリア関連市場の構造

インテリアを構成する要素としてのインテリアエレメントの点からは、家具やインテリアファブリックス、照明、空調設備、衛生機器、電化製品などに分けて捉えることができる。インテリアエレメントそれぞれについては商流面や物流面で特徴があり、おおむね他の製品と同様、流通システムからは、メーカーから卸売業、Eコマースを含む小売業、施工業など業態別に捉える事ができる。DIYなどで消費者自身で購入して取り付けることもあるが、製品の性格上、設定や設置、取り付け、設定等に専門技術を必要とする場合も多く、エアコンや壁紙、バス・トイレなど小売業者と施工業者が一体となって流通している。

インテリア関連製品の市場

経済構造実態調査によると、インテリアエレメント全体の市場は12兆9,479.4億円であるが、エレメント別の出荷額から捉えると「木製家具」全体の約20%を占める。つぎにサッシやドア、障子などの「建具」が約17.1%を占めている。さらに「プラスチック製の床材」が11.1%である。このほか「空調機器」や「照明器具」、「ガス・石油機器」、「電気音響機械器具」などのウェイトが高い。インテリアエレメントはさまざまな種類の製品で構成されている。このようにインテリア関連市場ではエレメント別に流通及び設置されている。

建設工事施工統計調査の結果によると、インテリア関連の市場のうち民間の内装工事等の合計金額が6兆3,730.9億円で、インテリアデザインの市場は約204億円であった。

インテリア企画ビジネス

インテリア関連ビジネスの中でエレメント以外の「サービス」の部分に該当する施工や取り付け工事の他、設計、デザイン、コーディネートなどが大半を占めている。

インテリア製品そのものをデザインするだけでなく、空間やレイアウトなどをデザインすることも重要である。生活環境やオフィス環境を快適に過ごせるようにインテリアエレメントを組み合わせて最適化することがインテリアコーディネートである。

このようにして目的や用途に合わせてインテリア企画をしっかりと立案し、快適な環境を整えることが、インテリア企画ビジネスのポイントである。

【要約】業種業界トピックス

「インテリアに関連する製品やサービスには様々なものがあるが、市場規模は、約19兆3,414.2億円と考えられ、このうち66.9%がインテリアエレメントで33.0%が施工や内装工事等で、インテリアデザインは全体の約0.1%である。」

 

【略歴】宮川公夫

実務補習運営委員長

東京都中小企業診断士協会理事
中小企業診断士
ITコーディネータ
家庭用品・アウトドア用品メーカーを退社後、業界調査等の執筆活動を中心に活動。