「展示会に出展する目的はなんですか?」とお聞きすると「商品やサービスを効果的にアピールしたい」「新たな顧客を獲得したい」など最終的には自社の売上を拡大させるための取組とおっしゃる中小企業経営者が大多数です。しかし、「展示会に出たけど効果が無かった・・・」とおっしゃる経営者も多数いらっしゃいます。
展示会出展で失敗しないためにも、下記注意点を参考にしていただき効果的に活用いただきたいと思います。

➀出店する展示会を選ぶ
ターゲットとなる企業の担当者が参加するかどうかを検討します。多くの展示会では事前に参加来場者の詳細を公開しています。
ターゲットとなる業種の担当が来場するのか見てから参加を決定していただくことが効果的です。

②出店前の準備
ブースの展示やPOP、アンケートなどの準備とともに、想定される質問事項を予想Q&Aという形でまとめておくことをお勧めします。特に展示会出展時には、人材も不足しているためアルバイトを活用することも多いのですが、アルバイトが質問に答えられず来場者が失望している姿も散見されます。せっかくブースに足を運んでいただいても商談に結びつかなければ意味がありません。展示方法や接客手法についての事前準備を行うことが重要です。

➂出店中の取組
大手企業はアンケートに答えるとノベルティやサンプルを渡すという方式で、展示会場でデータを取得しています。しかしその方式は、コストと人員が多大にかかる為、大手以外は難しいのが現状です。そこで名刺交換をした事業者様の管理を行うためのお客様管理シートなどを使います。名刺交換したが後から見直しても思い出せない、メールを一斉配信したが、返事が無いなどのお声をいただくことがあります。100件名刺を交換しても事業に結びつかなければ展示会出展は成功したとは言えません。100件の名刺の中にある、受注に結び付く1件を発見するための取組が必要と考えます。商談の感触をメモし、A/B/Cランクに分け、後日Aランクの顧客宛に個別具体的なアプローチを行うことで展示会後の商談に進める可能性が高まります。

④展示会出店後
お客様管理シートを見返し、成約確率が高いと思われる事業者からアプローチを行います。ここで注意いただきたいのは、Cランクと判断したお客様も次回の展示会で再度来場いただいたり、思いがけずお声がけいただくこともあります。Cランクについては一斉配信メールでも構いませんが、せっかくの繋がりを切ってしまうことの無いように、お礼メールと台帳の保管だけは必ず行っていただきたいと思います。

展示会は出展して終わりではなく、成長へのスタートです。次回の展示会でもさらに大きな成果を上げられるよう、このコラムを参考にしていただき、更なる成長を図っていただきたいと思います。

筆者紹介
 水口健
 保有資格 中小企業診断士、行政書士、1級販売士、第1種衛生管理者・ウエブ解析士他
 販路拡大、営業支援を専門分野としている。大手百貨店勤務時は、法人外商担当として22年間従事。同業百貨店、大手商社などとの競争を勝ち抜き大口案件獲得多数。現在は、での小売店、飲食店などへの店舗販促活動支援、製造業、卸売業などへの営業活動支援を中心に行っている。