新型コロナウイルス感染症の影響により、中小小売店舗は大変厳しい状況となっています。外出自粛とインターネットの普及により、自宅にいながら商品の購入が可能となることに気が付いた消費者に対してどのように対応するべきか、我々が手を差し伸べるべき、中小小売店への対応を考えて行きたいと思います。

■中小小売店の特徴
・従業員規模が少ない
・売場面積が小さい
・商圏が狭い
・品揃えが少ない

ネットや大型店のように、買い物前の情報収集の為に中小小売店にはお客様は来店されません。中小小売店の役割は、購買ならびに購買後にあります。実店舗に求められる役割と商店街などの中小小売店が力を発揮できる環境をどのように利用し、対応していけば良いのかを考えていきたいと思います。

■中小小売店の役割
・地域への貢献
・地域の消費者の選択範囲の拡大
・地域コミュニケーションの場提供

■求められる取組
 上記の役割を踏まえると、中小小売店の取組むべき課題が見えてきます。まず、誰に売るのか、何を売るのか、どのように売るのかを考えることが重要です。
 続いて、ご来店いただくお客様の購入状況や大型店舗の視察情報から、自店の品揃えを検討する必要があります。
 次に集客ですが、地域の商店街内の店舗であれば、共同販促チラシの作成やイベント実施などで、集客を図り各店舗の魅力を伝えていくことも重要となります。
 各店舗の置かれた状況により、対応は変わりますが自店の存在基盤の構築を目指していかなければなりません。

 小売業にとっては、新型コロナウイルス感染症の影響により大変厳しい状況が続いています。感染拡大防止についても対応を講じなければならず大きな負担となっています。こんな時こそ我々の出番です。小売店の支援機会がありましたら、積極的にご支援いただきたいと思います。
 私は、店舗でお買い物をされたお客様とお店の従業員の方の笑顔を見るのが大好きです。ネットでは得ることのできない、とても嬉しくなる瞬間です。日本の中小小売店の皆さんが元気になる支援をこれからも続けて行きたいと思っています。

〈参考文献〉
販売士ハンドブック(株式会社カリアック発行)

【略歴】
水口 健
中央支部実務従事支援部
2015年中小企業診断士登録。大手百貨店に26年勤務し2020年独立。百貨店外商部の経験を活かし、独立して診断士業務を行っている。