専門家コラム「小さな企業の抱える問題と支援者側の課題について」(2014年12月)
本年6月より全国47都道府県に一つずつ『よろず支援拠点』と言う小規模、中小事業者さんのご相談を受ける拠点制度が立ち上がりました。中小企業庁の重点政策のためか、マスコミ、関係者へのPRも活発になり、私が担当している東京都よろず支援拠点では、月を追う毎に相談に来られる事業者さんの数の増え、今では月に150件超える相談件数になっています。今回はそんな支援の現場に携わっている目線から小さな企業、つまり小規模、中小企業ならではの問題と支援者側の課題について提起します。
●小さな企業が抱える問題
一口に小さな企業と言っても抱える問題は様々です。事業者のステージ別に大きく整理すると4つに分かれます。それは
1)創業
2)地域での持続的経営
3)成長志向型活動展開
4)事業承継及び廃業、業態転換の4つです。
1)に関しては、創業予備軍の掘り起こし、起業前後のさまざまな支援、交流機会の提供
2)に関しては、顧客視点に立った商品・サービスの開発、雇用の維持等の視点から事業継続に向けた具体的活動、面的な施策や連携に向けた働きかけ、
3)に関しては、さらなる生産性及び付加価値向上、海外展開、情報発信・販路開拓に向けた取組に対する支援
4)に関しては、世代交代、適材の発掘に向けた支援等が大変重要になっています。
●我々、支援者側の課題
以上の様な、実態を踏まえて例えば東京都よろず支援拠点では以下の様な課題認識で事業者さんへの支援に取り組んでいます。
1)事業者さんへ向き合う姿勢と考え
①小規模事業者の経営資源の不足を補う(足らないものを補う・支える)
②常に伴走しながら支える(事業者さん目線での支援)
③何らかの問題が生じた時のよろず相談の相手となる(問題の背景に目を向ける)
④専門的な面での情報提供や支援を行う(抽象論より具体的提案)
⑤必要に応じ、他の専門的な支援機関等につなぐ(支援機関同士の有機的連携)
⑥施策が届いていない事業者へ必要な施策を伝える(各施策への精通)
の6つの点です。
2)1)を実現するために拠点で取り組んでいること
①専門的な知識や具体的な提案能力
②相談者としての信頼感の醸成
③幅広い人脈やネットワークの涵養
④都内の各支援機関との役割分担や連携促進
⑤優れた取り組みやノウハウを支援機関間へ紹介
⑥先進的支援事例の整備と紹介
の6点です。
2)に関しては、まだまだ道半ばですが、お陰様で、現在、事業者さんの売上向上、業態転換、雇用拡大に向けて、新商品導入、販路開拓、補助金採択、異業種連携等 目に見える成果が多く出てきました。我々、東京都よろず支援拠点では60万社あると言われる都内の小規模、中小企業者さんの頼れる味方でありたいと念じて居ります。
何かお困りことあれば、無料で何度でも成果上がるまでご相談に乗りますのでお気軽にご連絡いただければ幸いです。
東京都よろず支援拠点
http://www.tokyo-cci.or.jp/soudan/yorozu/
金綱 潤 東京都よろず支援拠点コデイネーター(FBページ)
https://www.facebook.com/pages/金綱-潤-東京都よろず支援拠点コデイネーター/760977980605085
*2015年1月5日からは下記住所へ移転します。(Tel&FAx 変更なし)
東京都千代田区丸の内2-5-1(〒100-0005)
■金綱 潤(かねつな じゅん)
中小企業診断士
中小企業庁 東京都よろず支援拠点コーディネーター